「世界中の優れた小説や戯曲を読むべきだ。それらがなぜ「名作」
と呼ばれるのか、考えてみる必要がある」
(黒澤明さんの発言)
黒澤明さんのご紹介
黒澤 明(くろさわ あきら、1910年3月23日 – 1998年9月6日)は、日本の映画監督、脚本家。第二次世界大戦後の日本映画を代表する映画監督であり、国際的にも有名で影響力のある映画監督の一人とみなされている。ダイナミックな映像表現、劇的な物語構成、ヒューマニズムを基調とした主題で知られる。生涯で30本の監督作品を発表したが、そのうち16本で俳優の三船敏郎とコンビを組んだ。
読書に関して、イチローさんはこう述べている。
実は一番苦手なのは、僕に問いかけるスタンスがあるんですけれど……見ている人に何か投げかけるスタンスがある。でも最後には、そこに答えが出てくるっていうのが苦手なんですよ僕。人の生き方の話とかあるじゃないですか、そういうものの中には必ず最後には答えが出てきてしまうことがあって、なんとなく頭で共感してしまうことがあると、なんとなく自分のものになった気がしてしまうんですよね。
その人が生きてきてその人が得たものなのに、なぜか自分も共感できるからそれを自分のものにしてしまう。でもそれは、僕が本当に自分の中から出てきているものではない、そこを錯覚してしまう事が嫌なんですよね。だから、何かを投げかけられる、それを自分なりに噛み砕く、で、こういうことなんじゃないかって事が僕は好きなんですけど、でも最終的にはそれが本の中に現れてくるので、ちょっと苦手なんですよね。
それよりも、自分が狭い世界ですけど、それなりに自分と向き合う、人と競争する中で色んな事があるわけじゃないですか。それをその中から何かを得たいんですよね、僕は。それってきっと、自分の言葉じゃないですか。そうすると人は、そんな事分かるから、きっと「この言葉ってこの人から本当に生まれたものなんだろうか」と感じる人ってたくさんいるじゃないですか。それがきっとそういうことだと思うんですよ。
少し長くなってしまったが、イチローさんはいろいろ言葉を使って説明されて
いるが、本の「内容」をそのまま「自己のもののように」してしまうのを恐れ
ていらっしゃるのであろう。
で、わたしの考え
イチローさんの言うように、「モノマネ」では、「自己そのもの」
を表現することはできない。しかし、「無」から「有」を創造で
きるのは、「神」だけである、と思うし「答え」を覚えるのでな
く、あくまで「答えにたどり着く道」をいろいろ「知り(そのま
ま使うのではなく)」、その上で、自分なりの「答え」を導き出
す。そういうことで、読書によっても「モノマネ」でもなく「ア
イデンティティー」を損なうこともないと、思われます。