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「己を賭けることもなく、責任を取る気もなく、100%正しいことを
言うだけで、人の役に立とうとするのは虫がよすぎる」
「ひょっとすると失敗するかも知れぬ。しかし、この際はこれだとい
う決意をもってするから、忠告も生きてくる」
(河合隼雄先生の発言)
~「こころの処方箋」新潮文庫より~
河合隼雄先生のご紹介
(1928-2007)兵庫県生まれ。京大理学部卒。京大名誉教授。日本に
おけるユング派心理学の第一人者であり、臨床心理学者。文化功労者。
元文化庁長官。独自の視点から日本の文化や社会、日本人の精神構造
を考察し続け、物語世界にも造詣が深かった。
わたしの考え
私事で非常に恐縮であるが、「火事になるから、煙草をやめなさい」
と、よく言われたものである。そういう時、「わかりました」とは
言うものの、決してやめなかった。まあ、頑固でもあるのだが、
河合隼雄先生のおっしゃる通り「役に立たなかった」。「忠告」や
「アドバイス」の難しさがわかる。「正しければいい」のではない
のだ。というと「何も言えなくなる」という恐れもあるが、相手を
理解しようと努力し(もちろん、わからないのであるが)、「自分
に今できる最善のことは何か」を考え、その上で「忠告」をすると
いいのかもしれません。とにかく、「忠告」するというのは、難し
いことなんですね。
※なお、河合先生は
「ひとつの忠告が役立つと、人間は嬉しくなってそれを普遍的真理のよ
うに思いがちである」ともおっしゃって、それに対しては「個人の存
在が深くかかわってくるとき、そこには、同じことは起こらなくなって
くる」と述べられてます。
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